健康経営に補助金・助成金は使える?まず押さえる基本健康経営に直接使える補助金・助成金はいくつかあります。ただし、その多くは「健康経営」という名前ではなく、職場環境の改善や人材定着、産業保健活動を支援する制度として用意されています。まずは前提となる2点を押さえておきましょう。補助金と助成金の違い補助金と助成金は、どちらも返済不要の公的支援ですが、性格が少し異なります。助成金は、主に厚生労働省が所管し、定められた要件を満たせば原則として受給できるものが多い制度です。雇用や労働環境に関するものが中心です。補助金は、経済産業省や自治体が所管するものが多く、予算や採択件数に上限があり、審査を通った企業が受けられる形が一般的です。どちらも申請の手間と要件確認が必要な点は共通しています。「健康経営優良法人=補助金がもらえる」ではない点に注意ここで誤解しやすいのが、健康経営優良法人の認定です。認定を受けても、それ自体で現金がもらえるわけではありません。認定のメリットは、国の補助金審査で加点されたり、融資で優遇されたりする点にあります。「認定=給付」ではなく「認定=申請時に有利になる」と理解しておきましょう。健康経営優良法人の認定要件そのものを詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせて参考になります。【参考記事】健康経営優良法人の認定要件とは?大規模・中小規模別の項目と申請方法を解説健康経営・福利厚生に活用できる主な補助金・助成金健康経営に関連して中小企業が活用しやすい主な制度を、比較表で整理します。金額や助成率は厚生労働省の資料にもとづく目安で、年度や要件によって変わります。制度名管轄健康経営との関連支給・助成の目安人材確保等支援助成金厚生労働省健康づくり制度が対象メニューに含まれる健康づくり制度の導入で20万円(賃金要件で25万円)など働き方改革推進支援助成金厚生労働省長時間労働の削減・年休促進など働き方の改善対象経費の4分の3(一定要件で5分の4)エイジフレンドリー補助金厚生労働省高年齢労働者の安全・健康確保、コラボヘルスコースにより補助率・上限が異なる団体経由産業保健活動推進助成金労働者健康安全機構(JOHAS)中小企業への産業保健サービス提供を支援申請主体は事業主団体等それぞれの特徴を見ていきます。人材確保等支援助成金(健康づくり制度など)人材確保等支援助成金は、雇用管理の改善を通じて従業員の定着を図る企業を支援する制度です。健康経営との相性がよいのは、対象メニューに「健康づくり制度」が含まれている点です。厚生労働省によると、健康づくり制度や職場活性化制度を導入した場合の支給額は20万円(賃金要件を満たすと25万円)です。また、設備などの雇用環境整備では、対象経費の2分の1で上限150万円といった支援も設けられています。離職率の低下が成果要件になっているため、定着の課題を抱える企業に向いています。【出典】厚生労働省 人材確保等支援助成金働き方改革推進支援助成金働き方改革推進支援助成金は、長時間労働の削減や年次有給休暇の取得促進など、働き方の改善に取り組む中小企業を支援する制度です。直接の健康づくり制度ではありませんが、労働時間の適正化は従業員の健康に深く関わります。厚生労働省によると、以下の「成果目標」を一つ以上選択の上、「改善事業(助成対象となる取り組み)」を行う必要があります。成果目標月60時間を超える36協定の時間外・休日労働 時間数の削減 年次有給休暇の計画的付与制度の新規導入 時間単位の年次有給休暇制度と、交付要綱で 規定する特別休暇を1つ以上新規導入改善事業労務管理担当者に対する研修労働者に対する研修、周知・啓発外部専門家によるコンサルティング就業規則・労使協定等の整備人材確保に向けた取組労務管理用ソフトウェア、労務管理用機器、デジタル式運行記録計の導入・更新労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新これら成果目標の達成度合いに応じて、改善事業にかかった経費の4分の3までが助成対象となります。常時使用する労働者が30人以下であることなど、一定の追加要件を満たす場合は5分の4に引き上げられます。【出典】厚生労働省 働き方改革推進支援助成金厚生労働省 令和8年度「働き方改革推進支援助成金」労働時間短縮・年休促進支援コースのご案内(PDF)総合的に健康経営と相性の良い制度といえるでしょう。エイジフレンドリー補助金エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者が安全に働ける職場づくりを支援する制度です。設備改善のほか、健診結果を踏まえた禁煙・メンタルヘルス・栄養指導などを行うコラボヘルスのコースもあり、健康経営と直結します。補助率や上限はコースによって異なります。注意したいのは、この補助金は年度ごとに受付期間や対象が見直される点です。募集の有無は、申請前に必ず最新の公式情報を確認しましょう。【出典】厚生労働省 エイジフレンドリー補助金厚生労働省 「令和8年度エイジフレンドリー補助金」のご案内団体経由産業保健活動推進助成金団体経由産業保健活動推進助成金は、事業主団体などが、傘下の中小企業に産業保健サービスを提供する費用を支援する制度です。医師や保健師による健診結果の意見聴取、ストレスチェック後の職場環境改善支援などが対象になります。ここでのポイントは、申請主体が個々の企業ではなく事業主団体等である点です。自社が加盟している団体が取り組んでいるか、という視点で確認するとよいでしょう。【出典】独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS) 助成金独立行政法人労働者健康安全機構(JOHAS) 団体経由産業保健活動推進助成金のご案内(PDF)厚生労働省 職場による労働衛生対策健康経営優良法人の認定で受けられる優遇健康経営優良法人の認定は、現金給付ではないものの、補助金や融資の場面で具体的な優遇につながります。国の補助金での加点経済産業省によると、健康経営優良法人の認定を受けた企業は、国の代表的な補助金で審査の加点対象になります。対象には、ものづくり補助金、IT導入補助金、事業承継・M&A補助金などが含まれます。健康経営の取り組みが、別の投資を行う際の採択率向上にもつながる仕組みです。【出典】ACTION!健康経営 国の取り組み融資・公共調達での優遇融資の面でも優遇があります。経済産業省の資料によると、認定法人は日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)」で特別利率が適用されます。また、自治体の公共調達で加点を受けられるケースもあります。【出典】経済産業省 これからの健康経営について(PDF Pg.58参照)なお、補助金を活用して具体的に何から始めるかを整理したい方は、こちらの記事も参考になります。【参考記事】健康経営の取り組みとは?メリット・進め方・企業事例をわかりやすく解説自治体独自の補助金は「地域差が大きい」前提で確認を国の制度に加えて、自治体が独自に健康経営を支援する補助金を設けている場合もあります。健康経営に取り組む中小企業に対し、奨励金や補助金を支給する自治体や、公共調達で加点する自治体が存在します。ただし、その有無や金額、条件は自治体によって大きく異なります。全国共通の目安があるわけではないため、「お住まいの自治体名+健康経営 補助金」で検索し、最新の募集要項を直接確認するのが確実です。補助金・助成金を活用するときの3つの注意点申請を進める前に、次の3点を押さえておくと失敗を防げます。制度は年度で変わる:金額・要件・コース名が改定されることが多いため、必ず最新年度の情報を確認する申請期間と予算枠がある:特に補助金は受付期間が限られ、予算上限に達すると締め切られることがある成果要件がある制度もある:助成金には離職率の低下など、導入後に満たすべき条件が設定されている場合がある費用全体の見通しや損金算入の考え方とあわせて検討したい方は、こちらの記事も役立ちます。【参考記事】福利厚生の費用はどれくらい?損金算入するための要件や平均費用について健康施策・福利厚生を始めるならYuLifeアプリ補助金・助成金の活用を検討している人事担当者の方に、施策の選択肢のひとつとしてYuLifeアプリをご紹介します。YuLifeは、ウォーキングやヨガなどのウェルネス活動をポイント化し、ギフトカードなどの報酬と交換できる福利厚生アプリです。たまったポイントはコンビニなどで使えるため、従業員の健康習慣を楽しく後押しします。補助金を使って施策を始めても、「従業員に使ってもらえるか」は気になるところではないでしょうか。YuLifeでは月次利用率91%*を記録しており、「誰でも」「いつでも」「楽しみながら」健康習慣を身につけてもらえるアプリです。導入を検討されている方は、以下から詳細をご確認ください。YuLifeのサービス概要はこちらYuLife導入事例集はこちら*日常的にアプリを利用した中小企業ユーザーの割合。2ヶ月間のテスト導入に参加した3社(対象人数136名)の調査結果。月間アクティブユーザー数/総ダウンロード数で定義。よくある質問(FAQ)Q:健康経営に使える補助金・助成金はありますか?A:あります。人材確保等支援助成金の健康づくり制度や、エイジフレンドリー補助金、団体経由産業保健活動推進助成金などが、健康経営に関連する制度として活用できます。Q:健康経営優良法人に認定されると補助金がもらえますか?A:認定自体で現金がもらえるわけではありません。国の補助金審査での加点や、日本政策金融公庫の融資での特別利率の適用など、申請時に有利になる優遇が受けられます。Q:補助金と助成金はどう違いますか?A:助成金は要件を満たせば原則受給できるものが多く、主に厚生労働省が所管します。補助金は予算や採択件数に上限があり審査を通る必要があり、経済産業省や自治体が所管するものが多い制度です。Q:中小企業でも健康経営の補助金は使えますか?A:使えます。人材確保等支援助成金や働き方改革推進支援助成金など、多くの制度が中小企業を対象に含んでいます。制度ごとに規模や業種の要件があるため、申請前に確認しましょう。Q:自治体の健康経営補助金はどう探せばいいですか?A:有無や金額は自治体ごとに大きく異なります。「お住まいの自治体名+健康経営 補助金」で検索し、最新の募集要項を直接確認するのが確実です。