なぜ「健康支援」が離職防止につながるのか?健康と定着率の意外な関係「健康への取り組みが、どうして従業員の定着率に関係するの?」そんな疑問を持つ方もいるかもしれません。ですが、今や“従業員の健康支援”は、離職防止や定着率アップに直結する重要な経営戦略のひとつとなっています。経済産業省が推進する「健康経営®*優良法人認定制度」があります。これは、従業員の心と体の健康を守るために積極的な取り組みを行っている企業を評価・認定する制度ですが、この認定を受けた企業は、そうでない企業に比べて離職率が大きく低いというデータが出ています。※「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。たとえば、「これからの健康経営について」(2025年4月、経済産業省)によれば、2023年度の全国平均離職率が12.1%だったのに対し、・「健康経営銘柄2025」の平均離職率:3.5%・「健康経営優良法人2025」の平均離職率:6.1%このように、健康経営を行っている企業の離職率は全国平均の半分となっています。従業員の健康を大切にする企業ほど、従業員が長く安心して働き続けている傾向が明らかになっています。出典:「これからの健康経営について」(2025年4月 経済産業省 商務・サービスグループ ヘルスケア産業課)p50さらに近年では、慢性疾患やメンタルの不調による長期欠勤や退職が、中小企業を中心に深刻な課題となっています。業務のプレッシャーや大き過ぎる負担が、知らず知らずのうちに心身に影響を与え、結果的に離職につながってしまう、というケースも決して少なくありません。だからこそ、健康支援は「福利厚生」の一環ではなく、離職を防ぐための投資として捉える視点が求められています。従業員エンゲージメントが高まる健康支援というと、つい「福利厚生の一環」と捉えられがちです。しかし実際には、企業から従業員への大切なメッセージでもあります。「あなたの健康を気にかけています」この姿勢こそが、従業員にとって、「自分は大切にされている」という心理的な安心感を生み出す重要なポイントとなります。こうした信頼感は、企業への帰属意識や貢献意欲を高め、結果的には従業員エンゲージメントの向上にもつながっていきます。健康支援は、「企業文化」として浸透させてこそ、その効果を最大限に発揮するのです。予防的な取り組みが職場ストレスの軽減につながる厚生労働省の「労働安全衛生調査(令和4年)」によると、メンタルヘルスの不調によって連続1か月以上の休職または退職者がいた事業所の割合は13.3%にものぼります。内訳を見ると、・1か月以上休業した従業員がいた事業所:10.6%・メンタル不調で退職した従業員がいた事業所:5.9%いずれも前回の調査から増加傾向にあり、職場のストレス対策やメンタルヘルス支援は急務となっています。特に中小企業では、こうした離職が業務に与えるインパクトも大きく、早期の予防やフォローアップがカギとなります。近年ではストレスチェックや心理的安全性を見える化するツールの導入が進み、高ストレス者を早期に把握し、必要な支援を届ける体制が整いつつあります。大切なのは、問題が表面化する前に手を差し伸べることです。タイミングよく支援が届くことで、従業員のストレスの軽減や、安心して働ける環境づくりにつながります。#4「離職防止のための福利厚生とは?従業員が辞めない会社の特徴」定着率向上に効く!社内健康プログラム3選ここからは、実際に従業員の定着率アップにつながった健康支援プログラムを3つご紹介します。いずれも、小さく始めて、徐々に職場に根付かせて行った点が成功のポイントです。① 健康ポイント制度(インセンティブ型)・仕組み従業員の健康行動を「見える化」して習慣化につなげる仕組みとして多くの企業が導入しているのが「健康ポイント制度」です。歩数、睡眠時間、健康診断受診、ストレッチの実施といった活動をアプリなどで記録し、一定の成果に応じてポイントが付与されます。貯まったポイントは、日常を少し楽しくするようなアイテムや社内特典と交換できる仕組みです。#2「企業向けおすすめ健康アプリTOP5」たとえば、「YuLifeアプリ」では、ウォーキングやエクササイズ、マインドフルネスなどの健康的な行動をすると、アプリ内通貨の「YuCoin」が付与され、魅力的な商品やサービスと交換できます。さらに、ウォーキングチャレンジや対戦機能などのゲーム要素もあり、楽しみながら健康になれる仕組みです。従業員のコミュニケーションの促進や、組織内の一体感を高めるのにも期待できます。導入事例「健康経営銘柄2025」「健康経営優良法人2025(大規模法人部門・ホワイト500)」に2年連続認定された株式会社NSDでは、次のような取り組みを行っています。・健康アプリでのバイタルデータや健康チェックアンケートの記録・ウォーキングイベント参加でのポイント付与・健康関連グッズと交換可能な「健康ポイント制度」の導入さらに、2022年10月からは、「日本一周を行うウォークラリー」を実施。ルート上に設けられているチェックポイントに到達すると記念品(ご当地名産品)や健康ポイントを獲得できる仕組みで、「歩くことをもっと楽しく」をテーマに健康促進と社内活性化を両立しています。出典:健康経営 | NSD(https://www.nsd.co.jp/corp/health-management.html)② メンタルサポートプログラム(EAP+1on1体制)・仕組み心の健康を守る体制作りとして、従業員支援プログラム(EAP)と社内の1on1ミーティング制度を組み合わせた「ハイブリッド型メンタル支援」も注目されています。メンタル面の不調の早期発見とフォローアップに効果のあるプログラムです。具体的には、・匿名で利用できる外部カウンセラーによる相談窓口・ストレスチェックによるハイリスク者の早期発見・上司との定期的な1on1面談で日常的なフォローなどのサービスが受けられ、従業員が不調に陥る前に早めにサポートを受けられる仕組みが整います。・導入事例株式会社友伸エンジニアリングは、産業用システム・ソフトウェア開発を行っている企業です。同社では、外部EAPによる月1回の面談に加えて、産業医との面談も取り入れ、従業員の定期的なメンタルケアを行っています。従業員が気軽に相談できる環境を整えることで、従業員自身がメンタル不調の予防に意識を向けることにつながり、離職率を抑えることにも効果がでています。③ 社内フィットネス・運動習慣支援・仕組みリモートワークの普及により、活動量の低下や運動不足が新たな健康課題になっています。そこで注目されているのが、オンラインフィットネスやジム利用補助などの運動習慣支援制度です。順天堂大学などが行った研究によると、運動を習慣にする人が1%増えると、メンタルヘルス関連による欠勤率が0.005%減少するというデータもあります。このように、運動習慣をサポートすることは、企業と従業員双方にとってメリットとなる可能性があります。・導入事例KDDIでは、2019年から健康アプリを使用した、ウォーキングイベントを定期的に開催しています。チームでの参加を通じて、従業員の「週2回、30分以上の運動習慣」が根付きました。また、2013年からは従業員の家族も参加できる「KDDIスポーツフェスティバル」を開催しています。家族が「会社を知ること」を通じて企業と従業員、そして家族とのつながりを深める取り組みとしても好評です。プログラム成功のカギは「経営の本気度」制度以上に大切な、社内に浸透させるための工夫健康支援制度がうまくいかない企業に共通するのは、せっかく制度を用意しても、従業員が活用していないという課題です。その一方で、成功している企業に共通している点は「周知の工夫と上司からの声かけ」といえるでしょう。たとえば、朝礼や社内SNSを活用して制度をわかりやすく紹介したり、上司が率先して利用することで安心感を与えたりということがポイントになります。また、イベント開催の時期は繁忙期を避けるなど、現場の声を取り入れたスケジュール設計も制度に参加しやすくするための工夫として有効です。つまり、制度設計だけでなく、「使ってもらうための設計」が大切です。「健康経営」は経営戦略との一体化が成功のポイント従業員の健康支援は、もはや福祉的な配慮ではなく、業績や採用力、企業イメージに直接結びつく「戦略的投資」として注目されています。これらの効果を引き出すためには、経営陣が“本気”で取り組む姿勢が欠かせません。トップ自らが「健康は企業価値そのもの」というメッセージを発信し、そうした企業文化を築くことで、社内外に強い共感が生まれるでしょう。#1「中小企業のための健康経営入門|なぜ今必要なのか?」まとめ ~従業員の健康を守ることでエンゲージメントと帰属意識が高まるいまや、従業員の定着率を高めるには、給与やキャリアパスだけでは不十分です。企業が従業員を大切にしているかの指標にもなる「従業員の健康への配慮」がとても大切です。健康支援を通じて従業員の心身の安定を守るということは、結果としてエンゲージメントや帰属意識のアップにつながります。「この会社で働き続けたい」と思ってもらえる環境をつくっていくためには、まずは小さな健康プログラムから。できるところから始めて、従業員の声に耳を傾けながら育てていくことが、持続可能な人材定着と組織の活性化につながっていきます。YuLifeのサービス概要はこちらYuLifeの導入事例集はこちら