離職率とは離職率とは、一定期間内に退職した従業員の割合を示す指標です。一般的には「一定期間の離職者数÷期首在籍人数×100」で算出されます。たとえば、期首に100人在籍していて、1年間で10人が退職した場合、離職率は10%です。離職率を把握することで、企業は人材の定着状況や組織の安定性を客観的に確認できます。離職率が高い場合、採用コストの増加や業務負担の偏り、生産性低下につながるリスクがあります。そのため、単年度だけで判断せず、数年単位で推移を確認することが重要です。継続的に数値を管理することで、組織課題の早期発見につながります。離職率の平均はどれくらい?厚生労働省の「令和5年雇用動向調査結果の概況」によると、2023年の日本全体の離職率は15.4%です。ただし、この数値はすべての業種や企業規模を含めた平均値を示しています。そのため、自社の離職率が15%前後であれば、全国平均とほぼ同水準と判断できますが、同業他社と比較したときの水準もチェックすべきです。以下では、業界別の離職率について紹介します。IT・情報通信業IT・情報通信業の離職率は9.1%と、全体平均と比較して低いです。背景には、専門性の高いスキルが求められる点や、比較的高い給与水準が影響していると考えられます。エンジニアやIT人材は企業にとって重要な戦力であるため、育成や定着施策が重視されています。また、在宅勤務やフレックスタイム制度など、柔軟な働き方が導入されることも多く、労働環境への不満が生まれにくい業界といえるでしょう。製造・建設業製造業や建設業の離職率は9%台と、全体平均と比較して低い水準にあります。背景には、長期雇用を前提とした人材育成体制が整っている企業が多い点があげられます。技能やノウハウの蓄積が重視される業界であるため、企業側も定着支援に力を入れていることも要因の一つです。一方で、若年層の人材不足や高齢化の進行といった課題も存在します。離職率が低いながらも、新規の人材流入が少ない課題に対する解決策が求められています。金融・保険業金融・保険業の離職率は9.3%と、全体平均と比較して低いです。背景には、比較的高い給与水準や充実した福利厚生制度、企業ブランド力の高さが影響しています。また、専門資格や金融知識を活かし、長期的なキャリア形成が可能である点も人材定着につながっています。一方で、離職する人材に目を向けると、成果主義による評価制度や営業ノルマによる精神的負担などの問題点があげられます。宿泊・飲食・サービス業宿泊業や飲食サービス業の離職率は25.6%と、全業界の中でも特に高い水準です。長時間労働や不規則な勤務形態、繁忙期の業務負荷の高さが主な要因となっています。また、非正規雇用比率が高く、雇用の安定性が低い点も影響しており、賃金水準が他業界と比べて低い傾向にあることも離職の一因です。働きやすい環境づくりと評価制度の見直しが、継続的な課題となっている業界といえるでしょう。教育・学習支援業教育・学習支援業の離職率は15.4%と、全国平均とほぼ同水準です。学校法人や公的教育機関では、比較的安定した雇用環境が整備されている一方で、民間塾や学習スクールでは業務負担が大きくなる傾向があります。また、授業準備や進路指導、保護者対応など、業務範囲が広いことも特徴です。やりがいを感じやすい反面、長時間労働が続くことで離職につながるケースもあります。医療・福祉業医療・福祉業の離職率は13.5%と、全体平均よりやや低い水準です。しかし、慢性的な人手不足により、現場負担が大きくなっている状況が続いています。夜勤やシフト勤務、感情労働による精神的ストレスは、業界全体の課題として認識されています。対応策としては、メンタルケア体制や教育支援の強化などが求められています。卸・小売業卸売業・小売業の離職率は12.3%と、全国平均に近い水準となっています。主な離職の原因としては、シフト制勤務や繁忙期の業務負担、接客対応によるストレスなどです。また、土日祝日の出勤が多く、ワークライフバランスを整えにくいことから、離職を検討する方も少なくありません。【雇用形態別】平均的な離職率と原因について雇用形態によっても、離職率には明確な違いが見られます。厚生労働省の調査によると、正規雇用者の離職率は12.1%である一方で、非正規雇用者の離職率は23.8%と、正規雇用者の約2倍に達しています。以下では、雇用形態ごとの離職率と原因について解説します。正規雇用者(正社員)正規雇用者の離職率は12.1%と、全体平均より水準がやや低いです。雇用が安定していることに加え、昇給制度や賞与、福利厚生が整備されている点が定着につながっています。また、長期的なキャリア形成を前提とした教育制度や研修制度も、人材定着を支えています。一方で、評価制度への不満や昇進停滞、業務負荷の偏りが続くと、離職につながるケースも少なくありません。上司との定期面談やキャリア支援を通じて、不満を早期に把握することが重要です。非正規雇用者(派遣・契約・アルバイトなど)非正規雇用者の離職率は23.8%と高く、全体の中でも特に不安定な水準となっています。契約期間の制限や、昇給機会の少なさ、福利厚生の差が不安要素となりやすい点が特徴です。また、将来的なキャリアビジョンを描きにくいことも早期離職の要因となっています。職場への帰属意識が高まりにくいため、人間関係や職場環境の影響も受けやすくなります。処遇改善や正社員登用制度の整備などによって、安心して働ける環境づくりが、離職防止につながるでしょう。【規模別】平均的な離職率と原因について企業規模によっても、離職率には明確な違いが生じます。調査によると、従業員数1,000人以上の企業規模では14.2%、300〜999人の企業では16.1%、100〜299人規模では19.0%となっています。以下では、企業規模ごとの離職率と原因について解説します。大企業(従業員300人以上)大企業の離職率は14%前後と、比較的安定した水準を維持しています。福利厚生や教育制度、評価制度が体系的に整備されている点が強みです。また、部署異動や職種転換など、多様なキャリアパスが用意されている点も特徴です。一方で、組織が大きい分、個人の裁量が小さく感じられる場合もあります。評価の透明性が低いと不満が蓄積しやすいため、従業員との対話を重視したマネジメントが、定着率向上につながります。中小企業(従業員300人未満)中小企業では、特に100〜299人規模で離職率が高くなる傾向があります。事業拡大に伴い、人事制度の整備が後回しになりやすい点が課題です。また、業務負担が一部の従業員に集中し、長時間労働が常態化する場合もあります。一方で、経営層との距離が近く、意見が反映されやすい環境は、中小規模の企業ならではの魅力です。制度整備と働きやすさを両立させることで、定着率を改善できるでしょう。離職率を下げるために企業ができること離職率を下げるためには、単発的な対策ではなく、継続的かつ体系的な取り組みが必要です。まず重要なのは、なぜ離職が発生しているのかを正確に把握することです。退職理由の分析や従業員アンケート、定期面談などを通じて、課題を可視化したうえで、評価制度の見直しや働き方改革、福利厚生の充実などを段階的に進めるべきです。また、健康管理支援やメンタルヘルス対策を強化することで、長期的な定着にもつながります。数値改善には時間がかかるため、中長期的な視点で取り組むことが重要です。従業員の定着率を高めるには?平均的な定着率と離職を防ぐ施策について従業員の定着を目指すならYuLifeアプリYuLifeアプリは、日々の健康行動の記録や、従業員どうしのコミュニケーションを、スマホ上で実現できる仕組みが特徴です。従業員はアプリをインストールするだけで手軽に利用できるため、企業や同僚との接点を日常の中に自然に定着させられます。結果として、エンゲージメントの強化や働きがいの醸成につながり、離職防止や組織への定着率向上にも寄与します。実際に活用され、従業員との関係性を深める福利厚生を実現したい企業にとって、有効な選択肢の一つといえるでしょう。従業員定着につながる福利厚生の導入をご検討の担当者様は、ぜひ下記よりお問い合わせください。YuLifeのサービス概要はこちらYuLife導入事例集はこちら